
フランス人
というと、皆さんどんなイメージを抱かれるでしょうか?
ワタクシはかつて、
旅先のパリで美術館に入り、トイレに行きたくなったのでトイレの場所をそこで働く職員に英語で聞いたら、
「No English!」
とどぎつく返され、結局教えてもらえず半泣きになりながら自力で探した
というエピソードを知人に聞いて以来、大学時代に第二外国語として履修したフランス語の単位を2度落としたことも相まって(←関係あるのか?)、フランス人に対して
「誇りが高すぎるあまりに気難しい」
というイメージをなんとなく持っていました。
そして、実際にフランス人と出会う機会もなく、そのイメージはここ十数年ずっと変わりませんでした。
さて。
実は週末、フィリピンはマニラに1人でふらりと出かけていたワタクシ高木(←え?)。
日曜日、広州への帰途マニラの空港で出国審査を済ませた後、ビジネスクラスラウンジへ向かいました。
行きはニートらしく当然エコノミーで飛んだワタクシが何故帰りだけビジネスクラスになったのかを簡単に説明すると、ジミーが航空券手配を頼んだ人間の手違いだったのですが(そしてエコノミーとほぼ変わらない値段だったのですが)、空港は未だかつてどの国でも経験したことがないほど混雑しており、エコノミーのカウンターは気が遠くなる位の長蛇の列。
それに対して小さい機材のため8席しかないビジネスクラスのカウンターはがら空きで、あっという間にチェックインでき、とても助かりました。
しかし出国前のロビーやカウンターのみならず、出国後のエリアにあるレストランやカフェもどこも激混み。
しょうがないので向かったエアラインのラウンジも、狭いこともあって席がほとんど埋まっていました。
なんとか見つけた空席は2つ。
どちらもソファ席で相席になるのですが、一方には見るからに(社会的に)力のありそうな、上等なスーツを着た気難しそうな初老の白人ビジネスマンと若いアジア人秘書(風)が。
もう一方にはこちらも白人の、しかしいかにもバケーション帰りらしいスマートカジュアルに身を包んだ男性が座っておりました。
すでにビジネスマンと秘書の2人が座っている4人用のソファ席(しかも女性は秘書にしては男性の向かいの席ではなく、2人掛けソファの隣で手を男性の膝あたりでコニョコニョしながら密着して座っている。ハッキリと怪しい)よりも、まだ3席空きがある、バカンス帰りの男性と相席することにしました。
本を読んでいらっしゃったので、着席する時に
「ここに座ってもいいですか?」
「もちろん、どうぞ!」
席を立つ時に、
「素敵なフライトを!」
「あなたも!」
という、短い会話しかしませんでしたが、大きな笑顔がチャーミングな、とても感じの良い紳士で、彼の喋るアメリカやイギリス、オーストラリアなどの訛りのない英語を聞いてカナダ人かな?などと思っていました。
そして1時間遅れた飛行機に搭乗し、席について一息ついたら、ラウンジで会ったあの男性が乗り込んで来たではありませんか。
「Hello again!」
と挨拶をすると向こうもびっくりした様子。
本当はワタクシの前の席だったのですが、他の方が間違って座ってしまった上に爆睡しており、起こすのも何だからということで、先ほどラウンジで交わした会話の逆バージョンを笑いながら交わし、空いていたワタクシの隣の席に座ることになりました。
とても気さくな紳士で、いろいろお話をしたら、広州経由でパリに帰るとのこと。
上述したように"フランス人=気難しい上に英語をしゃべらない"という頑ななイメージがあったワタクシ、まさかこの、人懐っこい笑顔の男性がフランス人だとは思っておらず、パリに帰ると聞いても「パリ出身である」のではなく「パリに住んでいる」のだと思ったのですが、更にお話をするうちに生粋のパリジャンだということが発覚致しました。
そう言われてみるとカナダ人にしてはオシャレ過ぎる(←失礼)、パステルブルーのリネンのシャツに絶妙なフィット感のチノパンと、石田純一ばりの素足にローファー。
確かに、パリの香りがする(←適当)。
というわけで。
ワタクシ高木、生まれて初めてパリジャンと遭遇→交流をもつこととなりました。
ムッシューはフランス国立の宇宙関係の機関(と言ったら1つしかありませんが)にお勤めで、宇宙から分かる地球温暖化の予測と対策や、無知なワタクシが質問した気象衛星などに関する質問に分かりやすく答えてくださり、クラシック音楽や偶然にもチェロがお好きということでバッハについてなど、色々とお話しました。
ちなみに、ここではじめて、JAXAが地球の環境問題について積極的に調査をしている世界でも数少ない宇宙開発機関であり、小さいながらも中々優秀であること(←これはワタクシが日本人だから仰ったのかも)を知りました。
お仕事でも世界中を飛び回っていらっしゃった様で、しかもそういう事を決してひけらかさずお話して下さって、広い世界にはいろんな人がいるんだなあとつくづく思いました。
そして何より、こんなフランス人がいるんだ!と感動しましたが、ご本人曰く、
「フランス人は、特に古い世代になるほどそうなのだけれど、そっけないというか、冷たいというか、総じてフレンドリーではないよ。若い世代は変わってきているけれど」
とのことでしたので、やはりワタクシの持っていたイメージは強ち偏見でもなかった様です。
そんなわけで、宇宙や音楽や、大陸と島国の国民性の違いや、はたまた理想の家族のあり方まで、多岐に渡る話題で2時間半のフライトはあっという間。
空港でムッシューとはメールアドレスを交換してお別れしましたが(お互い名刺を持っていなかったと言ったらジミーに「そういうのはバカンス中でもいつでも持ってなきゃダメ」と怒られた)、フランス人に対してのイメージがアップしたり、広大なスケールのお話が聞けて、何だか得した気分のワタクシ高木だったのでした。
*写真はマニラの空港。
人・人・人、人だらけ。